長谷川栄雅と「日本の美」

2021.04.16

時代と共に形を変える「しおり」

世界図書・著作権の日、子ども読書の日、図書館記念日など、本に関連する記念日が目白押しの4月。読書に欠かせないものといえば「しおり」です。日本のしおりの起源といわれるのは、中国から仏教の経巻と共に伝えられた象牙の箋(せん)と呼ばれるもの。また、奈良時代から平安時代には木や竹で作られた「けふさん」という道具が使われていました。

それらが「しおり」と呼ばれるようになったのは江戸時代。険しい山道を歩く際に、枝を折って目印とする「枝折(しおり)」から転じたとされています。

明治時代には紙製のものが誕生し、大正時代以降には広く普及することに。この頃にはしおりを宣伝に利用することが多く、戦時中には国民の戦意高揚を図るもの、戦後は国際的な出来事を紹介する図柄が増えるなど、時代に合わせてその内容も変化しています。

昨今、デジタル技術の進化によって紙以外の読書も増えています。これからしおりはどのような形になっていくのでしょうか。