長谷川栄雅と「日本の美」

2021.03.18

雅やかな彩りに心弾む「手鞠」

かつて少女の遊び道具として親しまれた「手鞠(てまり)」。その起源は古く、飛鳥・奈良時代頃に中国から皮製の手鞠が伝わったといわれ、貴族の蹴鞠(けまり)に使用されていました。その後、弾力性が高い木綿を芯に用いることが多くなるにつれ、徐々に地面について楽しむことが多くなり、江戸時代には少女たちの間で流行しました。

手鞠は俳句では新年の季語となっているように、江戸時代から明治時代までは正月の遊びとされ、明治時代以降になると技術の進展に伴い、ゴムや発泡スチロールなどを芯とするものが量産され、一年を通して遊ばれるようになりました。一本一本の糸が織り成す雅やかな彩り、花や植物などの模様のめでたさから、現在では主に飾り物として扱われ、手芸の作品としても人気です。