長谷川栄雅と「日本の美」

2020.12.30

一歩一歩、着実に前へ進む「丑」

多くの人にとって、大変な一年となった2020年もあとわずか。来たる新年の干支は、丑(牛)です。

牛は古くから肉牛や乳牛の食料としてはもちろん、土を耕したり、物を運んだりといった農作業の労働力としても重宝されてきました。

また、学問の神様・菅原道真公を祀る全国の天満宮には信仰の対象として臥牛の像が置かれ、福島県では厄除けの縁起物として「赤べこ」が伝わるなど、牛は日本人の暮らしと共にありました。

干支では十二支の2番目にあたることから、前年の子年に蒔いた種が発芽して成長する時期といわれ、目的に向けて、地道に土台を築く時期とされています。また、長時間にわたって勤勉に働く牛の姿から「粘り強さ」や「誠実さ」、「堅実さ」を表す年になるともいわれています。

もうしばらく、先行きが見通せない状況が続くかもしれません。それでも新年が牛のように挫けるなく、一歩一歩、着実に前進する明るい年となることを願いながら、年末年始をゆっくりと過ごしてみてはいかがでしょう。