長谷川栄雅と「日本の美」

2020.08.02

旬の花 撫子

秋の七草のひとつである撫子。夏から秋にかけての長い期間、淡紅色の清楚な花を咲かせます。

 

日本女性の美称「大和撫子」は、まさにこの花から。花の可憐さばかりでなく、「撫子」が「撫でる子」、つまり「撫で慈しむ愛しい存在」という意に通じることから、女性に例えられてきました。万葉集や古今和歌集にはすでに、女性を撫子に例えた歌が数多く登場しています。

 

かの清少納言も、撫子を非常に好んでいた一人。「枕草子」第64段は、「草の花は、瞿麦(草の花といえば、撫子)」というひとことから始まります。