長谷川栄雅と「日本の美」

2020.07.15

日本の縁起柄

日本人に長い歴史の中で愛用されてきた伝統文様。和の事物やうつわなど、いまなお暮らしの様々な場で取り入れられています。

 

とりわけ縁起が良いものとされるのが吉祥文様ですが、その意味やストーリーを知れば、さらに愛着も深まるもの。いくつかご紹介いたします。

 

<七宝>

仏教で七つの宝物を意味する七宝。四方八方に広がる円の文様ですが、その「四方」という言葉の音が由来になったといわれます。円満や広がりを表す吉祥文様です。

 

<麻の葉>

連続する六角形の幾何学模様です。麻は丈夫に育つことから、子どもの着物によく使われてきました。江戸時代後期に歌舞伎役者が舞台衣装で使用し、当時大変流行したそうです。

 

<青海波>

青海波の舞楽「青海波」の装束で使われました。無限に広がる波が描かれ、穏やかな暮らしがずっと続くようにとの願いが込められた文様です。もともとは古代ペルシャで用いられていたものが、シルクロードを経て、飛鳥時代に日本に伝わりました。