長谷川栄雅と「日本の美」

2020.03.23

七十二候「桜始開(さくらはじめてひらく)」

三月二十五日からは、七十二候「桜始開(さくらはじめてひらく)」の節です。まさに、桜が咲き始める時期。

 

日本人にとって、桜は特別なものです。咲く前から気にかかり、開花に喜び。満開に心浮かれながらも、これから散りゆく花びらに切なさを感じる。

 

人気だった梅に、桜がとってかわったのは平安時代のこと。御所の庭に、吉野山から桜が移されて以降、親しまれるようになりました。

 

その時代には、季節の色を着ることが、教養と感性を推し量ることでもあったそうです。季節の色を見にまとった貴族たちが桜を眺める光景は、さぞ美しかったことでしょう。

 

参考:角川ソフィア文庫「日本の色を知る」吉岡幸雄