長谷川栄雅と「日本の美」

2020.03.18

3月 寒造りの風景・甑倒し

甑(こしき)とは、米を蒸す道具。中国から伝わり、日本では弥生時代以降、使われてきました。

 

酒蔵でこの時期言われる「甑倒し」とは、この甑を横に倒して片付ける。すなわち、今季の仕込みが終わったことを示します。

 

緊張感の続く仕込みの期間を終え、杜氏や蔵人、関係者がほっとした顔を合わせてささやかな祝宴を開きます。

 

仕込んだ醪(もろみ)を絞り終える「皆造(かいぞう)」まで、気の抜けない酒造りは続きますが、「甑倒し」はその手前にある、ひとつの区切りです。