長谷川栄雅と「日本の美」

2020.01.01

正月に長寿を祈る、お屠蘇

一年間の健康と長寿を祈り、正月に飲まれる「お屠蘇」。

元旦の朝、家族でおせち料理をいただく前に、年少者から飲み干します。

 

お屠蘇は、酒やみりんに生薬を漬け込んだ「薬酒」で、現在では薬局などで市販される「屠蘇散」が使われます。

 

屠蘇散の中身は、肉桂や陳皮、山椒など。漢方薬に使われる生薬です。

アミノ酸をたっぷり含んだ日本酒と合わされば、まさに無病長寿が叶いそう。

 

もとは中国やアジアで健康のために飲まれていたものですが、平安時代に唐から日本へ伝わり、宮中の正月行事となり、江戸時代に全国に広まったとされます。

 

正式にいただくなら、ぜひ屠蘇器で。

大・中・小の三つ重ねの盃は、すべて使うのが正式ですが、略式として中盃のみを用いる場合もあります。

 

ひとつの盃を回して飲んでいくことは、神と人、人と人との結びつきを強めるためとも言われます。

 

参考文献:現代用語の基礎知識編集部「日本のたしなみ帖 縁起物」