長谷川栄雅と「日本の美」

2022.03.11

春の到来を告げる「ふきのとう」

春先にいっせいに芽を出す「ふきのとう」。日本古来の山菜として縄文時代から食され、平安時代には栽培が始まり、ほろ苦い風味が初春の味わいとして親しまれています。
この苦みには新陳代謝を活発にし、消化を助けてくれる働きがあります。冬眠から目覚めた熊が初めに口にするのが、ふきのとうともいわれており、冬の間にため込んだ老廃物などを排出し、春に向けてからだを目覚めさせていると考えられています。
ふきのとうを選ぶ際のポイントは、葉が開いておらず、しっかりと蕾が閉じていること。また、根元の切り口が黒ずんでいないものが新鮮です。摘まれたばかりのものはえぐ味も少なく、爽やかな香りを楽しむことができます。
ちなみに「ふきのとう」と「ふき」は同じ植物で、ふきのとうは蕾の部分。開花した後に、地下茎から伸びた葉がふきです。