長谷川栄雅と「日本の美」

2022.02.17

大安吉日に飾りたい「雛人形」

桃の節句を艶やかに彩るのが「雛人形」です。地域や家庭によっても異なりますが、旧暦で春が始まるとされる立春から、2月の中頃までに飾るのが一般的。節分に鬼を追い出すことで厄を祓ってから飾ることになり、大安に飾ると縁起が良いとされています。なお、今月の立春以降は、17日、23日が大安です。

雛人形の起源は平安時代に貴族の子どもたちがママゴトのように人形遊びしていた「ひいな(ひな)遊び」にありますが、現在のような豪華な形式になったのは江戸時代に入ってから。災いの身代わりになるようにと、身分の高い女性の嫁入り道具として用いられるようになりました。江戸時代後期になると、この風習が武家や商人にも広まり、縁起物として、官女や五人囃子などを並べた段飾りが生まれました。

ちなみに関西と関東では雛人形の並べ方が異なることが多く、関西では陰陽説の考え方に基づいて、向かって右が男雛、向かって左が女雛。関東では、その逆に向かって左に男雛、向かって右が女雛となり、これは明治時代以降の西洋化にならったといわれています。