長谷川栄雅と「日本の美」

2022.01.07

新年の無病息災を願う「鏡開き」

お正月の松の内が明けてから行われる「鏡開き」。歳神様の依り代である鏡餅を木槌で割って食べることで、その力をいただき、1年の無病息災を願います。この風習は江戸時代に広まったといわれ、餅を刃物で切ることは切腹を連想させ、縁起が悪いことから木槌で割るように。また「割る」「切る」といった言葉を用いないのもこのためで、末広がりで縁起のいい「開く」という言葉が使われるようになりました。
割られた餅の食べ方として多いのが、ぜんざいです。これは赤い小豆には邪気を払う魔除けの効果があると考えられていたためで、かつては鏡開き以外にも家を建てた際やお祝い事などに、ぜんざいを作る習慣があったといわれています。
なお地方によって、鏡開きの日にちは異なり、関東や東北、九州など多くの地域では1月11日、関西では1月15日、また京都や近隣の一部地域では松の内に関係なく、三が日が明けた1月4日に行うこともあるようです。