長谷川栄雅と「日本の美」

2021.10.23

茶人や武人を魅了した「真田紐」

 

優雅な色合いや多彩な柄で、多くの人々を魅了する「真田紐」。縦糸と横糸で平たく織られた日本の伝統的な紐は、組紐などに比べて伸びにくく丈夫なことから、酒器を入れる木箱の箱紐や刀の下げ緒、甲冑を手足に縛る際など、さまざまな用途に使用されていました。約450年前にはその美しさと機能性に着目した千利休が、茶道具を入れた桐箱の箱紐にしたと伝えられています。

このように古くから生活道具として使われてきた真田紐ですが、起源は諸説あり、「戦国武将の真田昌幸・幸村親子が考案したもの」「鎌倉・平安時代に伝来したチベットの織物『サナール』が転じたもの」といった説が代表的です。

現在ではデザイン性の高さから、椅子の座面やバッグ、ブレスレットなどのアクセサリーとしても人気を集めています。