長谷川栄雅と「日本の美」

2021.10.15

丹波地方から全国へ広まった「栗」

秋の代表的な味覚として、9月から10月頃に旬を迎える「栗」。この季節の栗ご飯やモンブランなどを楽しみにしている方も多いのでは。栗は石器時代から日本にある歴史深い穀果類。奈良時代や平安時代から朝廷に献上され、特に丹波地方で採れる「丹波栗」は『古事記』や『万葉集』にも記述が残るほどの味わいでした。丹波栗は江戸時代に京都などで人気となり、参勤交代によって全国へその美味しさが広がったといわれています。

ちなみに栄養価が高く、渋皮(軟らかい皮)には抗酸化作用があるタンニンが多く含まれている栗ですが、実は私たちが食べているのは種の部分で、鬼皮(硬い皮)が果肉です。そして、美味しい栗を見分けるポイントはきれいな形をしていること。鬼皮の茶色が濃く、白い粒もなく、底に黒い部分がないもの。鬼皮に張りがあり、指で押してもぶかぶかせず、底がベトベトしていないものを選ぶのがおすすめです。