長谷川栄雅と「日本の美」

2021.07.27

夏の挨拶状「暑中見舞い」

遠方の友人や親戚など、お世話になっている方のからだを気遣い、日頃の感謝を伝える「暑中見舞い」。二十四節気の小暑(77日頃)から立秋(87日頃)までの土用の時期に届ける挨拶状とされ、それ以降のものは「残暑見舞い」と呼ばれます。

暑中見舞いは、江戸時代に生まれた習慣といわれています。かつて日本では1年を2期に分けており、その区切りはお正月とお盆でした。元々、お盆は里帰りをして祖先の霊にお供え物を捧げるものでしたが、江戸時代になると祖先だけではなく周囲の人々にも贈答品を届け、挨拶を行うように。遠方の人には飛脚便を使い、贈答品と共に挨拶状を届けるようになりました。また夏場は衛生状態が悪くなり体調を崩す人が多かったため、健康を気遣う挨拶文を用いることが一般的になりました。