長谷川栄雅と「日本の美」

2021.06.17

日本の伝統的な婚儀「祝言」

「6月の花嫁」を意味する「ジューンブライド」への憧れから、今月は世界中で多くの結婚式が行われますが、日本で主流となっている神前式が行われるようになったのは明治時代の中頃。皇族の結婚式をきっかけに広まりましたが、それ以前の江戸時代などには「祝言(しゅうげん)」が行われていました。祝言は両家の親戚縁者が新郎の家などに一堂に会し、人前式と披露宴を同時に開くようなイメージです。

婚儀の内容は地域によって異なりますが、筥迫(はこせこ)という小箱に手紙と御守りを入れて母親が新婦に渡す「筥迫(はこせこ)の儀」、三度お神酒を酌み交わすことで生涯の誓いを立てる「三献の儀」、新郎新婦と両親が同時にお酒を飲み干すことで両家が一つの家族になったことを表す「固めの杯の儀」などが執り行われ、参加者はそれを見守り、結婚の証としていました。

ちなみに日本で最初の恋愛結婚と伝えられているのはスサノオノミコトとクシナダヒメの結婚ですが、ヤヱガキ酒造を代表する酒銘「八重垣」は、その喜びをスサノオノミコトが詠んだ句に由来しています。