長谷川栄雅と「日本の美」

2021.02.09

冬の味覚「おでん」

寒さが厳しい日には恋しくなる、熱々のおでん。その起源は、室町時代の豆腐田楽といわれています。これに宮中に仕える女性たちが丁寧に“お”を付け、さらに省略して、おでんと呼ばれるようになりました。

この料理は元々、豆腐を焼いて串に刺したものでした。しかし、その後さまざまな具と共に煮込んだものが登場し、江戸時代になるとこちらが次第におでんとして扱われるようになり、現代でいうファストフードとして、屋台などで食べられたという記録が残っています。

明治時代におでんは汁気が多い料理へ変化し、大正にかけては専門店が続々誕生するほどの人気に。さらに昭和に入ると冬を代表する味覚として一般家庭にまで普及し、日本各地で愛される料理となりました。

味わいや具は地域ごとに異なり、だし粉と黒い汁が特徴的な静岡おでん、赤巻やふかしなど変わり種が入った金沢おでんなどが、ご当地おでんとして広く知られています。