長谷川栄雅と「日本の美」

2021.06.10

日本の伝統文化に深く結びついた「和菓子」

日本の豊かな四季や自然などを表現した見た目と、その味わいを楽しむことができる「和菓子」。年中行事にも欠かせず、日本の伝統文化に深く結びついています。

起源は縄文時代までさかのぼり、木の実を砕いて粉状にし、水でアクを抜いて丸めたものが団子の始まりとされています。その後、遣唐使が持ち返った「唐菓子(からくだもの、からがし)」、鎌倉時代以降の茶の湯文化などの影響を受けながら和菓子は独自の進化を遂げました。

そして、その文化が大きく花開いたのが江戸時代。戦乱の世が終わり、暮らしに平穏が訪れると江戸の上菓子と京都の京菓子の職人が競い合うように技術を高め、さまざまな素材を取り込みながら創意工夫を凝らした和菓子を数多く生み出しました。現在、親しまれている和菓子の多くも、この頃に作られたもの。これからの季節は水ようかんなどの和菓子が、暑い夏に一時の涼をもたらしてくれます。